創業融資に申し込もう。
クリエイターのみなさんの中には、いつかは独立!という方も多いのでないでしょうか。今回は、独立開業には欠かすことができない創業融資について触れていきたいと思います。
かく言う私も、今から10年以上前に、勤務していいた広告制作会社を辞めて、広告制作事務所(デザイン事務所)を起業しました。当時の自分は、自己資金がゼロで、設備資金と運転資金を融資していただくために、数個の創業融資に申し込みました。今考えると、とても無謀で(恥ずかしながら)、自己資金ゼロ、事業計画書なしで、日本政策金融公庫(当時:国民生活金融公庫)の創業融資に申し込みました。当然、承認されませんでした。結果的に、大学の同級生の銀行員に泣きつき、事業計画書の書き方を教わり、連帯保証人を立てることを条件に、銀行のプロパーの融資に助けていただきました。
日本政策金融公庫 or 自実体に制度融資
創業者が活用できる融資は、主に2つあります。一つは、日本政策金融公庫とからの融資です。もう一つが各自実体に制度融資(信用保証協会による保証付きの融資です。いずれも公的融資と呼ばれている融資で、銀行のプロパーの融資よりも、金利が低く、借りやすいのが特徴です。自治体の制度融資について、各都道府県でよって融資の内容・条件が異なりますので、各自治体のホームページなどでお調べください。
創業者が活用できる融資
- 日本制作金融公庫の融資
- 自治体の制度融資
新創業融資制度が、おすすめ。
日本政策金融公庫の融資には、「新規開業資金」「女性・若者・シニア企業家資金」「再チャレンジ支援融資」など様々な融資制度がありますが。これら各融資制度を利用する場合の特例措置として、無担保・無保証人にて利用できる「新創業融資制度」あります。創業融資をお考えの企業家さんに、この「新創業融資精度」がおすすめです。
(日本制作金融公庫の融資)
①新規開業資金
- 担保/保証人:ケースによって必要
- 融資限度額:7,200万円(その内運転資金4,800万円)
②新創業融資制度
- 担保/保証人:不要
- 融資限度額:3,000万円
- 自己資金が必要
「新規開業資金」と「新創業融資制度」を比較してみると、「新創業融資制度」の魅力は、担保・保証人が不要という点です。融資限度額は3,000万円以内と少ないと思われますが、クリエイターさんの起業と考えれば充分な額ではないでしょうか。私の経験上、大半が1,000万円くらいになる思います。
「新創業融資制度」の要件に、自己資金があります。自己資金について、国民政策金融公庫では原則として創業資金総額の10分の1位上が必要とされています。例外として、現在勤務している会社と同じ業種であれば(6年以上の勤務経験が必要)、自己資金が不要となります。例えば、デザイン会社に勤務しているグラフィックデザイナーが独立してデザイン仕事をフリーランスとして創業する場合です。
自己資金が、開業への本気度を表す。
創業融資の審査の際、この自己資金が非常に重要な判断要素となります。事業計画書、資金計画書をわかりやすく正確に作成することも重要ですが、それ以上に自己資金は重要だと思います。そもそも自己資金とは、具体的にどのようなものか。それは、事業に投資(使用)する純粋な自己所有の資金です。少し抽象的な表現ですが、“事業にかける本気度を表す”資金です。親から借りてきたお金、他の通帳から移してきたお金(出どころが不明瞭なお金)はあまりいい印象を持たれません。
理想的には、実際に独立開業を考える前から、積立などで給与から毎月コツコツ貯金をしておくことです。そして、その貯金が通帳でしっかりと確認できるようにしておくことです。また、前述したように国民政策金融公庫では自己資金の目安を創業資金の10分の1位上と表記してますが、実際は3分の1程度用意しておくことをおすすめします。将来的に独立開業をしたいという希望をお持ちの方は、今から準備をはじめてください。決して遅くはありません。
プラス「きれいなお金の流れ」が、重要。
次にお金で重要なのが、お金の流れをきれいにしておくことです。具体的には、公共料金の支払期日をしっかり守る、家賃を滞納しない、各種税金を滞納しないなどです。ごくごく当たり前のことですが、これらができていない方は、お金にだらしないという印象を与えてマイナス評価となってしまいます。また、これらのお金の流れを最低半年の期間しっかりと通帳に記入しておいてください。書面で証明できることが大切です。
このように創業融資の審査では、自己資金の金額からは事業へかける本人の本気度、お金の流れからはお金に対する本人の性格が、非常に重要な判断ポイントとなります。創業融資の申込者の大半が実績がありませんので、このようなソフト面が重要な判断要素となるのものおわかり頂けると思います。
まとめ
自己資金を用意する
- 融資前から貯金しておく
- 創業資金の1/3位上確保する
- 通帳に貯金の実績を残す
お金の流れをきれいに
- 公共料金を滞納しない
- 税金を滞納しない
- 家賃を滞納しない
- 通帳に支払実績を残す
今回は国民制作金融公庫の創業融資を中心に書きましたが、同じことが各自実体に制度融資にもいえます。将来的に、独立をお考えのクリエイターのみなさま、まだ自分には早いと思わないで、準備してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。